2017年10月17日火曜日

アサギマダラだけじゃない フジバカマに集まる蝶たち(2017.10.17)


 



渡りの蝶アサギマダラ【浅黄斑】」 10月7日に開催した旬の植物ガイドに合わせるように今年
も当園に立ち寄ってくれましたが、その後も続々と数が増えています。
 ところで、フジバカマ【藤袴】[キク科]が咲いている場所を観察していると、アサギマダラだけじゃ
なくいろいろな蝶たちも蜜を吸いに集まってきます。下の写真はツマグロヒョウモン(♂)、 この蝶も
 アサギマダラと同じように1カ所で長い時間をかけて蜜を吸っていました。

               

 次の写真は10月14日に来園者の方が撮影されたものを提供していただきました。ア サギマダラとツマグロヒョウモン(♀)が並んで蜜を吸っています。
 

その他、これまでに当園で観察されたフジバカマに集まった蝶たちをご紹介します。

アカタテハ
イシガケチョウ
蛾の仲間サツマニシキも観察されました。


 アサギマダラがフジバカマに集まるのは、蜜に含まれる毒性物質のアルカロイドを摂取して鳥などの外敵から身を守るとともに性フェロモンを分泌するためと説明されています。
 アサギマダラ以外の蝶や蛾たちも同じようにアルカロイドを求めて集まっているのでしょうか。
 ちなみに当園温室では「日本最大の蝶」といわれているオオゴマダラ【大胡麻斑】を飼育していますが、この蝶もアサギマダラと同じようにゆったりとした優雅な羽ばたきが見られます。この蝶の幼虫の食草はホウライカガミ【蓬莱鏡】[キョウチクトウ科]でフジバカマと同じようにアルカロイドを含んでおり、オオゴマダラもやはりこの毒性物質を体内に蓄積することにより外敵から身を守っているといわれています。
食草のホウライカガミ
 アサギマダラはこれまでの例ですと10月後半まで園内で観察されています。またオオゴマダラは温室水生植物室で運が良ければ出会うことができます。興味深い生態の蝶たちを植物園でご覧ください。                                                 (解説員)

2017年10月11日水曜日

‘胡麻畠幼き日々のかくれんぼ’俳句の展示入れ替えました(2017.10.11)


 野草園の休憩所内に展示している俳句作品を入れ替えました。
 今回展示した句の中から、いくつかご紹介します。

 今回は‘胡麻(ゴマ)’の句が多く寄せられました。


ゴマの花と実
 

‘胡麻畠幼き日々のかくれんぼ’ 末松桂子
(ごまばたけおさなきひびのかくれんぼ)

 植物園内の‘胡麻(ゴマ)’は、ハーブ園内で栽培展示していました。(9月末頃まで)
‘胡麻(ゴマ)’は一年草で、春に種から発芽します。しかしその生長スピードは早く、秋には草丈1~1.5mくらいにもなり、ちいさい子どもたちの背丈を追い越してしまいます。


ゴマの実(蒴果)
‘胡麻のさや並びて作る矢作形’ 松岡絹子
(ごまのさやならびてつくるやはぎがた)

‘胡麻(ゴマ)’の種が入った実を「蒴果(さくか)」と呼びますが、花後、まっすぐな茎に整然と並んだ「蒴果」は、小さいながらも確かに弓矢の矢羽の形をしています。


乾燥して裂けたゴマの実(中のツブツブがゴマの種)
‘胡麻叩き四つの小部屋開きをり’ 竹下美代子
(ごまたたきよっつのこべやをひらきをり)

「蒴果」は二つに裂けて種を放出します。裂けた面を見ると、中の種が整然と並んでおり、さらに矢羽を連想させる形です。




‘ありし日の母の背中や胡麻を打つ’ 鮫島成子

(ありしひのはなのせなかやごまをうつ)

‘胡麻叩く音の乾いてくる日和’ 西美知子

(ごまたたくおとのかわいてくるひより)

‘胡麻飛びてさや軽やかに風の音’ 波田てつお

(ごまとびてさやかろやかにかぜのおと)

‘一粒の微妙に匂ふ胡麻であり’ 大長清子

(ひとつぶのびみょうににおうごまであり)

 ゴマは病虫害や乾燥にも強く栽培しやすい作物です。

 原産地はアフリカのサバンナ地帯とされていますが、日本の縄文時代の遺跡からもゴマの種が発見されており、遠い昔から世界中のいたるところで栽培されていたようです。
 育てるのがかんたん、種は食べれば栄養価が高い、絞れば燈油にもなるなど、とても有用な植物だったと思われます。

 日本でも、昔は九月の乾いた空気の中で、刈り取った株をたたいてゴマの実を収穫する姿があったようです。

 それらも今では人々の記憶の中の情景となっていますが、今回寄せられた句からは、作者の方々の体験にもとづいた実感が伝わってきます。


*この展示は、植物園で句会を開かれている「植物句会」松尾康乃主宰のご協力のもとに展示しており、約1か月おきに入れ替えを行っています。


*今回展示している俳句の一覧です。



(園長 上田)
 







2017年10月3日火曜日

10月のポスターを作成しました(2017.10.3)


                                 (↑壁紙サイズにしてみました。)

日ごとに変化する園内の魅力をお伝えするため,6月から月間PRポスターを作成しています。
10月は秋のバラまつり(10月20日(金)~11月5日(日))と,ハロウィンディスプレイをモチーフにしています。

10月は都市緑化月間。
さわやかな気候のもとで,さまざまなみどりを感じていただきたいと思います。
毎月のポスターに登場しているグリッピ(福岡市花とみどりのマスコットキャラクター)も,
10月は大忙しとなることでしょう。


10月PRポスター
9月PRポスター


8月PRポスター


7月PRポスター


6月PRポスター

                                             (植物展示係 佐藤)

2017年9月27日水曜日

継子の尻拭い[ママコノシリヌグイ](2017.9.27)


 今モデル庭園で、薄いピンク色のまるで金平糖のような可愛い花が咲いています。きれいなので近づいてよく見ようとして花に近づいたら鋭いトゲがチクリ。

              

 よく見たら茎には下向きのトゲがいっぱい。この花の標準和名は「継子の尻拭い」といいます。
 この和名は、トゲだらけの茎や葉から「憎い継子の尻をこの草で拭く」というすさまじい意味からつけられています。タデ科の一年草で、トゲで他の植物などを引っかけながら茎を伸ばして勢力を広げていく「つる植物」の一種です。



この花には花弁はなく花びらのように見えるのは萼です。また葉柄のつけ根には鞘状の托葉があり茎を包んでいるなど興味深いポイントがありますから是非とも間近に観察してください。


  ただし、この時期の「つる植物」はヤブガラシやヘクソカズラなどと同様に、庭園管理上はやっかいものの雑草です。作業時期がきたら引き抜かれますからお早目にご覧ください。そして、くれぐれもトゲにはご用心を!                                      (解説員)

2017年9月25日月曜日

50日前!福岡マラソンプレイベントを動植物園で開催!(2017.09.25)


気候が段々と穏やかになって,植物たちも冬を迎える前にとせっせと花を咲かせだしました。

植物たちにとっても過ごしやすい気候なのでしょうね。

 

人間にとっても過ごしやすい季節である秋。

芸術の秋,食欲の秋,読書の秋,そして,スポーツの秋ということで,923日(土)今年が初めてとなる『福岡マラソ2017 50日前イベント』を福岡市動植物園で開催しました!

これは福岡マラソン2017の大会50日前を記念して,福岡マラソン実行委員会と福岡市動植物園が共同で企画したイベントとなります。

 

1部では,本イベントのために特別に行ったもので,開園前の植物園メイン園路でのランニングを行ったり,ランニングに適した靴の選別からストレットの仕方までランニングコーチのレクチャーのもと行っていきました。

普段は落ち着いた感じの植物園ですが,今日だけはランナーの活気であふれていました







2部では,南公園の花見広場の250段の階段と坂道を使ってのトレーニングです。福岡マラソンはフラットな部分が多いですが,20Km32Kmの坂道(特に32Kmの坂道は心が折れます(経験者))をどう攻略するかがカギとなるので,このトレーニングは福岡マラソンを走る方には特に重要なものですね。



 

3部は植物園の芝生広場に場所を変えて,アスリートの理想的な食生活に関してと,それを実現するための「アスリート弁当」のご紹介していました。




 

走るのは苦手という人でものんびりウォーキングを秋の植物園でいかがでしょうか?

そして,福岡マラソンを走られる方は,頑張って下さい!(落選した私の分まで。。)

坂道トレーニングにはぜひ南公園をご活用下さい!

 
(植物展示係 浜部)

2017年9月14日木曜日

高原で秋を堪能(2017.9.10)

9月8日、所用があって大分県に出かけました。
前日の雨が嘘のような秋晴れの中、九重の飯田(はんだ)高原に立ち寄り、写真をパチリ。

タデ原湿原から三俣山をパチリ。
木道を歩き、湿原周辺の植物を写してきましたので、いくつか紹介します。
マツムシソウです。
ワレモコウです。
ススキです。赤い屋根は長者原ビジターセンターです。
ハギ(マルバハギ)です。
サイヨウシャジン(ツリガネニンジン)です。
サワギキョウです。
ヒゴタイです。
短時間の滞在でしたが、青空の中、心地よい風を感じながら、秋を堪能できました。
(緑の相談員 O)

9月の植物から②(2017.09.14 )


野草園では,ナンバンギセルが咲いています。ちょっとわかりにくいのですが,俳句を展示している四阿(あずまや)から降りたタカノハススキの根元に咲いています。『思い草』ともいわれ万葉集では,「道の辺の 尾花が下の 思い草 今さらさらに 何をか思はむ」と詠まれています。



同じく野草園にワレモコウがひっそりと咲いています。源氏物語にも取り上げられた秋の名花のひとつで,そのたたずまいが好まれ,茶花などによく用いられます。多数の小さな花の集まりで,花弁はなく,4個の萼片があります。
 
 


次に紹介するのはタマスダレです。レインリリーともよばれています。
先週,めぐみの雨が降ったおかげで,次々と咲いています。
 
紹介した植物が観察できます。(解説員 N)