2018年5月20日日曜日

背高のっぽ~食虫植物の花(2018.5.20)


  大温室の一角で食虫植物たちが花を咲かせています。白い5弁の花を咲かせているのは捕虫葉(ほちゅうよう 虫をとらえる葉)で虫をはさみこむハエトリグサです。

 
薄い紫色の花弁の花は、べたつく粘液で虫をつかまえるモウセンゴケです。

  
その他現在は咲いていませんが、モウセンゴケと同じく粘液で虫をつかまえるムシトリスミレの花はこのように咲きます。

 
このように並べてみると、食虫植物たちのの花には共通する形・・背高のっぽ=花の柄が長いという特徴があることがわかります。食虫植物たちは虫をつかまえて養分を吸収していますが、一方花を咲かせたあとの受粉に関しては虫たちに媒介してもらう必要があります。そのため花を捕虫葉から十分に離して、受粉を手伝ってくれる虫たちは誤ってつかまえないようにしています。つまり養分にする虫と受粉を手伝ってくれる虫を使い分けていることになります。食虫植物たちの生き残るためのすごい知恵ですね。
  ちなみに落とし穴を使って虫をつかまえるタイプの食虫植物の花も背が高いです。

サラセニア
ウツボカズラ
  
ユニークな形で独特な生き方をしている食虫植物たち。大温室の食虫植物コーナーでその魅力を発見してください。                                    (解説員)

2018年5月15日火曜日

“四月にねさくらさいたら春が来た” 俳句の展示入れ替えました。(2018.5.15)

 野草園の休憩所内に展示している俳句作品を入れ替えました。
 展示した句の中から、いくつかご紹介します。


 今回も展示しきれないほどのたくさんの句を投稿いただきましたが,
 今回は,特に“ 桜 ”と“ チューリップ ”の句が多くみられました。










 
 「春の花は?」と聞かれて真っ先に思い出すのが“ 桜 ”という方も多いでしょう。




  “ 四月にねさくらさいたら春が来た ” とくいかちさえ
   (しがつにねさくらさいたらはるがきた)






 お子様が書かれた句でしょうか,“さくらさいたら春が来た” 当たり前の事ですが,
 季節を感じる心を大切にしながら,育ってほしいものです。
 
 “ 桜 ”には多くの品種がありますが,植物園内には約60種が植えられています。
 来年の春には,ぜひ探してみてください。







 子どもたちに花の絵を描いてもらうと,“ チューリップ ”の絵を描く子が多いのではないでしょうか。それほど“ チューリップ ”は誰にでも身近で親しみやすい花なのでしょう。








  “ 画用紙の中いっぱいのチューリップ ” 大長清子
   (がようしのなかいっぱいのちゅーりっぷ)










 春は遠足シーズン。園内の芝生広場には多くの園児たちが楽しそうに遊ぶ声が響いています。
芝生広場の近くにトチノキの大木があります。






  “ ピラミッド園児の声と栃の花 ” 靜雄
   (ぴらみっどえんじのこえととちのはな)


 トチノキは,トチノキ属の落葉高木で,花は4~5月頃咲き,一つひとつの花が集まって円錐状に立ち上がった形はこの時期とても目立ちます。まるでピラミッドのような形にも見えます。
 園内を散策していた作者が,芝生広場で元気に駆け回る園児たちを微笑ましい眼差しで眺めていると,ふと近くの天に昇るようなトチノキの三角錐の花に気づき,その姿と同化させたのでしょうか。







*この展示は、植物園で句会を開かれている「植物句会」松尾康乃主宰のご協力のもとに展示しており、約1か月おきに入れ替えを行っています。

*今回展示している俳句の一覧です。













(園長 井上)

2018年5月3日木曜日

 花を咲かせたその後は・・・(2018.5.3)




風薫る五月になりました。今年は2月ごろに厳しい寒さがあり、その後3月から4月にかけて暖かい日が多かったせいでしょうか、この春はサクラ類をはじめさまざまな花の開花が早まり、そして一気に咲いたように感じます。
 次々に咲いて私たちを楽しませてくれた春の花たちですが、花を咲かせたあとには大事な、そして大きな仕事が待っています。子孫を残すための種子づくり、そしてそれを広げていくための実づくりです。園内で目立つ実を探してみました。






 入口から入ってすぐ、水生植物園で実をつけているのはカリン【花梨】(バラ科)です。秋には黄色に実り、せき止めなどの効能があります。


カリンの花
香りの道で実をつけているのはソシンロウバイ【素心蝋梅】(ロウバイ科)です。




ソシンロウバイの花
頂部に雄しべなどの跡が残っているのがおもしろいですね。

モデル庭園のハクモクレン【白木蓮】(モクレン科)も変わった実をつけています。



ハクモクレンの花
 雌しべが多数らせん状に並んで集合果になります。


 バラ科サクラ属の実と花です。
 アンズ【杏】

スモモ【李】





シナミザクラ【支那実桜】




  ウワミズザクラ【上溝桜】




 春から初夏に向かうこの時期、次々に花を咲かせ実をつけていく植物たちから目が離せません。                               (解説員)

2018年4月14日土曜日

そよ風にひらひら~ハンカチノキ(2018.4.14)


  毎年5月前になると問い合わせが多くなるのがハンカチノキ。いつもの年だと4月下旬~5月中旬ということでご案内していますが、なんと今年はすでに咲いています。南側の芝生広場とバラ園の間で見ることができます。昨年は4月27日の見頃マップで「園長おすすめ」にしていたので2週間ぐらい早いですね。

 ハンカチノキは、中国四川省などの山岳部に自生する落葉樹。花びらのように見える乳白色の“ひらひら”は実は花ではなく苞(ほう)で、その中にある黒っぽい球状のものが小さい花が集まったもの。その様子がまるで白いハンカチのように見えるのが和名の由来。英語では、白い鳩が枝にとまっているように見えることからdove tree(鳩の木)と呼ばれているとか。



数年前は残念ながら開花が見られない年もありましたが、付近の大木を整理して日当たりを良くしたせいか、随分と花つきが良くなっています。


この時期に、ハンカチノキとともに皆さんの関心が高く問い合わせが多いのがヒトツバタゴ(別名ナンジャモンジャ)です。この花も昨年は4月末頃が見頃でしたが、今年はもう咲いています。
 上の写真はモデル庭園のものですが、入口壁泉のところにも咲いています。



ちなみに、昨年のブログ(2017.4.28)で紹介したJR博多駅黒田節像のところのヒトツバタゴも早くも咲いています。
  
 今年の春は、サクラ類から始まっていろいろな花が例年より早く駆け足で開花しています。「見頃の花マップ」をチェックして毎年楽しみにしている花をどうぞお見逃しないように! (解説員)

2018年4月12日木曜日

これもサクラの仲間?!セイヨウバクチノキ(2018.4.12)

                

 バラ園南側からモデル庭園に下りていく途中にセイヨウバクチノキ【西洋博打木】の白い花が咲いています。長い花穂を直立に出して長い雄しべが目立つ小花を多数つけています。

  このような花のつき方を総状花序(そうじょうかじょ)といいます。和名の中の「バクチ」とは?賭け事・ギャンブルのことです。以前(2016.9.29)のブログで紹介したバクチノキと同じように樹皮がはがれ落ちることからつけられた和名です。(ただしセイヨウバクチノキは相当老木にならないとはがれないそうですが)



バクチノキ
バクチノキもそうですが、このセイヨウバクチノキも分類的にはバラ科サクラ属です。原産は小アジア~東南ヨーロッパの常緑樹で、この花のつき方はとてもソメイヨシノなどと同じサクラの仲間とは思えませんね。細かい分け方では「バクチノキ亜属」に分類されます。
  同じように総状花序に花をつけるサクラ属の仲間にウワミズザクラ【上溝桜】があります。



 細かい分け方では「ウワミズザクラ亜属」に分類されますが、これもれっきとしたサクラ属で花木園で今満開状態です。

 園内では遅咲きグループの「サトザクラ」たち・・カンザン、フゲンゾウ、キクザクラ、ショウゲツ、イトククリ、フクロクジュなどがまだまだ楽しめます。さまざまなサクラの仲間を楽しみに植物園にお越しください。                                              (解説員)

2018年4月4日水曜日

今年は「サトザクラ」も早い  「白」が名前につく桜(2018.4.4)

 福岡地方で平年より4日早く開花したソメイヨシノは、すでに満開を過ぎて盛んに花びらを散らせています。 好天が続いて、園内では例年4月に入ったころから咲き始める「サトザクラ」が続々と開花して見頃を迎えていますが、その中で「白」という漢字が名前に入った桜を紹介します。




  花木園でシロタエ【白妙】が早くも満開を迎えています。大輪の花を咲かせるので「白色八重咲き」の代表といわれています。昨年は4月12日が満開でしたので2週間ぐらい早いです。



同じく花木園で見頃なのがタイハク【太白】です。この品種はわが国では失われたと思われていましたが、あのオカメを作出したサクラ研究家C.イングラムがイギリスに持ち帰っていたものが逆輸入されて各地に植えられるようになったものです。こちらも同じく2週間ぐらい早いです。
 ちなみに「サトザクラ」とは、オオシマザクラがもとになって、それに他のサクラが自然交配したり、人為的に交配が行われたりしてできた園芸品種の総称です。ですから、サトザクラという品種名のサクラはありません。またサトザクラの中でも八重咲のものを一般的に「八重桜」と呼んでいます。





  最後に紹介するのは、多くの「サトザクラ」の親となったオオシマザクラ【大島桜】です。芳香のある大きな白い花を若葉と同時に咲かせます。「白」が名前につく桜たちにも、その特性がしっかり引き継がれているようです。

  園内では遅咲きグループの「サトザクラ」が続々と開花しています。色が珍しいので例年問い合わせが多いウコン【鬱金】やギョイコウ【御衣黄】も、昨年は4月19日頃が満開でしたが、今年は「新着情報」でもお知らせしているようにすでにほぼ満開状態となっています。
  どうかお見逃しのないようにお越しください。                     (解説員)

2018年3月21日水曜日

緋色の系統 早咲きの桜たち(2018.3.21)






 3月19日、平年より4日早く福岡地方のサクラ(ソメイヨシノ)の開花が発表されましたが、当園内では早咲きの桜たちが標準木であるソメイヨシノに先駆けて咲き誇っています。
 花木園では早咲き桜の一種ヨウコウ【陽光】が開花しています(3/14開花)。大型で濃いピンク色の花が多数咲く華やかな桜です。ソメイヨシノの一品種のアマギヨシノとカンヒザクラとの交配により1981年に作出された品種です。






 すぐ近くにオカメも開花しています(3/7開花)。ヨウコウに比べると型は小さいですが、やはり濃いピンク色の花をつけます。ユニークな名前ですが、1930年頃イギリスのサクラ研究家C.イングラムがマメザクラとカンヒザクラとの交配により作出した品種です。
 ちなみにサクラの「早咲き」「遅咲き」とは、一般的に標準木であるソメイヨシノの開花前に満開になる種類を「早咲き」、ソメイヨシノがほぼ散り終わって満開になる種類を「遅咲き」と分類しているようです。


 当園内では、上の2種の前には全国的に早咲きで親しまれているカワヅザクラ【河津桜】(2/27開花)やシュゼンジカンザクラ【修善寺寒桜】(3/7開花)も咲きました。




カワヅザクラ

シュゼンジカンザクラ

 この2種類はカンヒザクラを片親として自然に交雑して生じた雑種で、でもう一方の親はオオシマザクラと推定されているようです。
 これらの品種を並べてみると、花が比較的大型でピンク色が濃く、開花時期が早いという共通の特徴があり、それぞれの片親であるカンヒザク【寒緋桜】の早咲き性と濃い緋色の花色の系統をしっかりと引き継いでいることがわかります。






 当園では、ソメイヨシノはもとより4月中旬頃のサトザクラと呼ばれる遅咲きグループなどまで約50種類のサクラが次々に開花していきます。新着情報の「サクラマップ」で刻々と開花情報をお知らせしていきます。さまざまな種類のサクラ探訪に春の植物園にお越しください。    (解説員)                                                 

2018年3月12日月曜日

温室でボーモンティア・グランディフロラの花が咲いています!

 現在,大温室2階で,ボーモンティア・グランディフロラの花が咲いています。
ボーモンティア・グランディフロラは,キョウチクトウ科ボーモンティア属のつる植物で,インドが原産です。


 白く大きな花をつけます。中国名で「清明花」、英名で「ヘラルド・トランペット」と言われます。花には芳香があり、したたるほどの蜜ができます。




大温室の階段を上って2階にいくと,間近に白く大きな花を見ることができます。まだつぼみもありますが, 温室内でも今の時期にしか見られない花ですので,お早めにご覧ください。

(植物展示係 下川)