戌(いぬ)年にちなんだ植物(2018.1.2)




 当園情報館1階では、新春にその年の干支にちなんだ植物を展示、紹介しています。
昨年平成29年酉(とり)年はゴクラクチョウカ【極楽鳥花】を紹介しましたが、今年平成30年
は戌(いぬ)年。皆さんは「犬」がつく植物といえば何が思い浮かびますか?
 イヌタデ、イヌホオズキ、イヌビエ、イヌマキ、イヌシデ、イヌザクラ、イヌザンショウなどなど。こうして並べてみると、「犬」のつく植物の由来は実際の犬とは無関係のものが多く、有用な植物に似ていても「否(いな)、違う」とか「役に立たない」という意味でつけられたものが多いようです。もちろん犬そのものの形から名付けられたエノコログサ、オオイヌノフグリもありますが、1月時点では実物の展示は困難です。

エノコログサ

オオイヌノフグリ
 ということで選んだのがネコヤナギ【猫柳】。「猫年なんて干支はないよ」という声が聞こえてきそうですが、調べてみると別名がエノコロヤナギ【狗尾柳】(エノコロ=犬の子)なんです。

 ネコヤナギという和名は、もちろん花穂の形を猫のしっぽに見立てたものですが、一方子犬のしっぽにも似ているということでこの別名で呼ばれているようです。
猫のしっぽ
犬のしっぽ
 絹毛をまとった花穂がネコやイヌのふさふさの和毛(にこげ)を連想させることからそれぞれついたものですが、古くから人間と暮らしてきたネコやイヌに例えられているのは、この植物がそれだけ生活の身近にあったことを示しているのでしょう。


 情報館には、この時期園芸店などで生け花材料として流通しているネコヤナギの切枝を展示します。ヤナギの仲間は、冬芽は帽子状で赤褐色をした防寒用の芽鱗(がりん)に覆われています。3月頃この芽鱗が取れて、中からフカフカの銀白色をした絹毛が現れます。


 当園でも3月になると、芽鱗が取れて絹毛の中からオレンジ色の葯が出てきたピンクネコヤナギやイヌコリヤナギの花(雄花)を水生植物園で観察することができます。

ピンクネコヤナギ

イヌコリヤナギ

 情報館の「新春植物展」は1月14日(日)まで開催しています。干支にちなんだ植物と合わせて、新春にふさわしい「千両」や「金の成る木」などの縁起の良い植物も紹介しています。
2018年戌年の新春に、どうぞ情報館にお越しください。                 (解説員)

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